• 海外法人(非居住者)に対してサービスを提供した場合の消費税の取扱い

    こんにちは。
    最近、ますます海外取引を行うお客様が増えてきたように感じます。
    最近取り扱った事例としては、日本に住んでいるITエンジニアがインドのシステム会社に対してサービスを提供する場合や、
    海外の法人が所有する日本にある資産の管理を行う場合がありました。

    日本の法人が、海外の法人に対して、サービスを行った場合、消費税の取扱いはどうなるのでしょうか。
    海外の事業者との取引だから、「不課税取引」になるのでしょうか。
    また、サービスを海外の法人に輸出したのだから、「輸出免税取引」になるのでしょうか。

    まず、消費税の基本的な仕組みをおさらいしましょう。

    ■消費税が課税される取引とは
    消費税は、以下の4つの要件を全て満たした取引(資産の譲渡等と外国貨物の輸入)について課税されます。
    ➀国内において行われること
    ➁事業者が行うこと
    ➂事業として行うこと
    ➃対価を得て行うこと

    逆に言えば、この4つの要件を満たさない取引は、消費税は課されないのです。

    ■消費税の区分について
    消費税は、取引の内容により、不課税取引非課税取引輸出免税取引課税取引の4つの税区分に分けれられます。

    〇「不課税取引」とは
    上記の、消費税が課税される取引に該当しない取引です。
    例えば、インドネシアの法人とタイの法人が製品の売買を行った場合は、➀の要件を満たさないため、消費税の対象外「不課税」となります。
    また、フリーランスのSEが、要らなくなった本をヤフーオークションで売却した場合は、➂の要件を満たさないため、この取引も消費税の対象外「不課税」となります。

    〇「非課税取引」とは
    上記の、消費税が課税される取引に該当するものの、消費に負担を求める消費税の性質に合わなかったり、社会政策的配慮から、消費税が課税されない取引を言います。

    消費に負担を求める消費税の性質に合わないため非課税取引となるものとしては、
    ・土地の譲渡や貸付 ・預貯金の利子 ・有価証券等の譲渡 などが挙げられます。

    社会政策的配慮から非課税取引となるものは、
    ・国等が行う一定の事務に係る役務の提供 ・社会保険医療の給付等 ・介護保険サービスの提供 ・学校教育 ・助産 
    ・住宅の貸付 などが挙げられます。

    〇「輸出免税取引」とは
    上記の、消費税が課税される取引に該当するものの、内国消費税である消費税は外国で消費されるものには課税しないという考えに基づいて、輸出取引は消費税が免除されます。

    商品の輸出や国際電話、国際輸送、国際郵便が輸出免税取引に該当します。

    海外旅行をするため、ANAの海外航空券を買ったことがある方は多いと思いますが、消費税が課税されていませんよね?これは国際輸送ですので輸出免税となるからです。

    〇「課税取引」とは
    上記の、消費税が課税される取引に該当する取引で、「非課税取引」と「輸出免税取引」以外の取引を言います。
    日本で行われる取引の大部分が課税取引となります。

    ■日本の法人が海外の法人のために行ったサービスの消費税の区分
    日本の法人が海外の法人のために行ったサービスの消費税の区分は、まず、消費税が課税される取引の要件「➀国内において行われること」に該当するかどうかを考えます。
    「➀国内において行われた」かどうかは、そのサービスが国内で提供されたかどうかを判定します。

    例えば、海外法人が所有する日本の資産の管理サービスは、国内においてサービスを提供されたことになり、
    消費税が課税される取引の要件「➀国内において行われること」該当します。よって、この取引は「不課税取引」には該当しません。

    次に、サービスはどこで消費されるかを考えます。
    海外法人が所有する日本の資産の管理サービスの消費者は、海外に本店を置く法人であるため、このサービスは海外で消費されたことになり、「輸出免税取引」に該当します。

    海外との取引は、色んな発見やチャンスがある一方、経理上は少しややこしいので、海外取引を行っている会社の経理担当の方、ご注意くださいね。
    質問などございましたらお気軽にコンタクトフォームやメールなどでお問合せください。

    東京・横浜の女性税理士・公認会計士 板倉会計事務所